MEGADETH in 武道館

diary guitarist LIVE music

月曜日にメガデスのライブを武道館で観てきた。来日情報はだいぶ前から知っていたが、行くかどうか迷っていた。武道館に対するデイブの想い、ギタリスト、マーティーの想いをYouTube、雑誌で知って、行くことを決めた。

オジー・オズボーンも怪我と病気と加齢からツアーを諦めたという話しも聞いたので、このメガデス公演を直接見れるのも最後かなとチケット予約する運びとなった。調べると二人とも還暦を越していて、今頑張っている聖飢魔IIも還暦である。なるほど、若干年上であることは分かっていたが、そうなんだと改めて、正確な年齢を調べ光陰矢の如しと感慨深くなった。文明の進歩によって、僕が幼少の時感じた60代の印象と今はまるで違う。ほんと、爺さんだと幼稚園児の時は60歳をそう感じていた。実際、自分がその年齢に近づくと、今の幼稚園児はそう感じているのだなと多少笑えるが、昔より遥に若く感じる。自己弁明かも知れないが。

チケットは思ったより売れず、だいぶ後になって少しずつ売れたようであるが、最後は当日券販売もあって満員御礼となった。

武道館の名前を世界に知らしめたのはチープ・トリックの武道館公演で、東にある遠方の日本にまで、俺たちの音楽が届いているというミュージシャンの金字塔が武道館であると言うことをマーティーのYouTubeで理解した。なるほど、確かに遠方の地、日本で開催することはある意味外タレにとっては大きなステータスなんだと分かった。デイブの病気からの回復が前回の武道館公演からは間に合わず、デイブ自身回復を待って公演したかったらしいが、プロモーターの独断と実行力で中止となったことが、最近のBURNのインタビューでデイブが語っていた。

マーティー脱退時の話しを記憶に頼ると、確か、マーティーが脱退を伝え、受理され、後任のギタリストにポイントを伝授するという流れであったが、脱退勧告を突きつけられたデイブは当時、「よろよろになったマーティーが勝手に去って行きやがった。ただ、ギターのレクチャーはしてな」的な内容だったと思う。喧嘩別れではないが、今回の公演で抱き合うような友情的な別れであったのではなかったと思う。それでも20年の年月が流れ、お互いに大人になってきた感覚で久しぶりに友と会う抱擁であったのだと思う。お互い、武道館という特別な場所でやりたいという情熱が結ばれた光景でもあった。そんな感謝の姿勢がデイブのお辞儀なり、表情から伝わってきた。その「感謝」の姿勢に多少目頭が熱くなった。お互い、おじさんを越える年齢からくる感謝の気持ちであろう。

メガデスの代表曲をひたすらMCも入れず黙々とやる公演であった。ステージ後方に映された3つのスクリーン映像と音楽が噛み合う感じで。ほんと好きな曲をやってくれて、かつCD通りに演奏してくれたことが良かった。唯一の不満は「SEA WOLF」というギターバトルが展開される曲をやってくれなかったことかな。

童顔であったデイブも貫禄のシワが顔を覆い、年齢というものの強制的な風化にこれまた感慨深くなった。それは自分の容姿にも当てはまる。たまたま横の人がメタリカの代々木公演の話しをしたので、「それ、僕も行きましたよ」と返答し、お互いが同級生であることも後分かった。デイブ、マーティー、僕、そして隣の人とそれぞれ全く違う人生を歩んできたであろうが、同じ時間の経過を過ごした。そんな時間共有性の感覚が老化という時間の風化なんだなと感じることになる。それでも、一番若く見えたのがマーティーであるかな。どう見ても還暦には見えない。彼の名演奏であるギターソロを動画に撮り仲間に送ったが、WOWOWで改めて見ると独特の満足感が表情として出ていて、ある意味イっていたのは良かった。あっという間の1時間30分でアンコールもなく静かに終わったが、やり遂げたデイブの表情にいくばくかの安堵が伝わってきた。アーチ・エネミーの弟のギタリストがエクストリームの音楽をやり続けるのに飽きて脱退した記事を目にしたが、20代のパワーで今も現役でメタルを演る情熱も結構凄いことだと思う。デイブは家族と観光も含めて日本に来たらしいので、ライブの疲れを観光で発散して欲しい。こうやってアーチストもオーディエンスも加齢していく。それでも、やはり大音量と光のショーであるライブは楽しかった。