高木美帆 五冠達成
この冬休みを利用して、スピードスケートを観ている。フィギュアスケートのようにレギュレーションが変わるわけではなく、ひたすらタイムという人類普遍の物差しを使いその時間を競い合う。
レースが進むにつれてタイムのいい猛者たちが登場し、その滑りだけでも見た目で速いか遅いかの違いがわかる。より滑らかに力強く滑るスケーターが速い。大会初日の500mで第一人者、小平奈緒をまくり弾みをつけた。小平自身もこのコロナ渦で調整不足があり、完全ではなかったであろう。まぁ、それでも条件は一緒で、その中で最強最速スケーターに勝利したことは大きい。高木美帆はさらに高い次元を目指し一人旅に出かけようとしているように見える。相手は他の選手ではなく自分自身。
彼女の活躍は2年前の平昌オリンピックであるが、一時代表から外れる不毛な時期もあり、その挫折から這い上がり頂点へ昇りつめた経緯がいかにも人生ドラマとしての栄光、挫折、栄光と物語としては引き込まれる。今の彼女はスピードスケート最強オランダ女子相手にも遜色なく戦える実力がある。まさに世界の高木である。
チームパシュートでの一糸乱れぬ艦隊での、スピードスケートでも美しさがあり、3000mでは1位高木美帆、2位佐藤綾乃、姉の高木菜那が4位で、2年前のメンバーがそれぞれ日本の第一人者であることが改めてなるほどと思わされた。
今は、練習、練習と脚光を浴びる舞台には登場していないが、競技を引退し、テレビで解説する時代には間違いなく視聴率を取れる番組の顔となろう。強くて美しい女性、それは彼女であると。
夕方からテレビ放送がある。今日は録画でなく見てみよう。最強アスリートの活躍をテレビ越しに拍手を送るのが楽しい。