諦める力

book

本棚に飾られていたこの本を昨日、読んでみた。この本はこのブログデザインしたマナブ君の動画で推薦されていた本で、だいぶ前に購入していたが、なかなか読めなかった。衝動買いの本が結構あり、読む優先順位が低かったせいもある。読み進めると2時間くらいなので、文字量と難解度はそうでもない。ただ、2カ所、気になるとこがあり、いつものアンダーラインを忘れてしまったので、どこかと今、再読している。

今の日本人を含め、大勢の民が愚民で終わるのは、単純に読書量による慧眼の熟成、思考の礎が極端に出来ていない状態であるような気がする。そう言い切る自分も「じゃ、お前は愚民ではないのか?」と問われれば、「そうでない」と否定する自信もない。日本人の半分は月一冊の読書すら出来ていないとこが、愚民への加速を早めている。

文字を読み進めることでの新しい知識であったり、脳内での追体験、その文章に対する分析思考などが、人間の最大機能である脳を活性化させ、新しいアイディアとか今まで思いもつきなかった知恵が成就されるのが読書のいいとこである。確かに読書はある程度、文字に対する訓練が必要かもしれない。又この本にあるように誰かには苦痛でも誰かには楽しいことといった具合に、読書も好き嫌いが分かれる。

この本は為末大が青少年に向けた指南書である。迷いがあり、いろんな日本人特有のしがらみの中で自分を見失っている若者向けの本である。10代、20代で読めば、もっと違う感動なり解釈を得たと思う。

自分の得意分野(苦と思わない領域)で勝負すれば、人生は楽しくなる。僕がタクシードライバーを天職と捉えたのは、運転自体が楽しく、息を吸うくらいの軽い感覚で仕事できるからだ。趣味というか好きなことが仕事になっている。今は法人の「走らない」「止まらない」「曲がらない」といった三重苦のクラウンコンフォートを乗って仕事しているがそろそろ卒業。そうなれば、さらに運転が楽しくなる「走る」「止まる」「曲がる」といった車で仕事ができよう。まさに水を得た魚ではある。

その自分に向いた仕事のアプローチに「諦め」という元の語源の意味である、「あきらかにする」「つまびらかにする」を念頭におくと新しい世界が見えてくる。