ネット情報の消滅期間?

diary

ネットの情報はいつ消滅するのか、たまに気になる時がある。というのはあるメイドカフェで知り合った地下アイドルの女の子がいたのだが、脳腫瘍で亡くなった。地方放送局のテレビでも闘病生活をドキュメントする番組も作られた。生存中の彼女はゆるふわの女の子であったが、話してみるとアイドルだと言う。アイドルがこんなとこで働いていいの?とテレビに映るのがアイドルであると思ってていた僕は聞いてみた。地下アイドルだと彼女は言う。

初めて「地下アイドル」なる単語を聞く僕は不思議な感じと、売れるまではバイトも必要かな?とも思えた。目の前にいる彼女を熱烈に支持する若者がいたとしたなら、その会話は彼にとっては至福の時なんだなと勝手に想像を巡らし、彼女と会話してみた。

その清純そうな彼女はまだ男の子と付き合ったことがないと言う。デリケートのないオヤジの俺は「じゃ、処女なんだ?」と思いついたことを聞いてみた。その問いに地下アイドルの彼女は困った様子で視線をそらした。確かに、その年齢まで処女であるというのもモテない証というかそんなふうにも取れるし、処女でないと発言するのも未来のアイドルとしては、アイドルの王道に背く発言となる。そんな心情描写が彼女のうつむきから想像できた。

脳腫瘍の手術ってどうなの?と質問すると、入院して一部髪を切り、そこからメスで切って腫瘍を取ると彼女は言う。手術してだいぶ経つのか、見た感じ、頭が剥げているとこはない。普通の女の子がこんな病を患っているんだと健気に会話する彼女を見て、なんかいたたまれない気持ちになった。

それから半年くらい経って、その時の彼女が入院したと噂を聞いた。また、脳腫瘍が再発したのかな?と危惧しつつも時間が流れた。それから半年して、彼女の闘病生活をテレビを見ることになる。一部の彼女を支持する若者が見舞いや、コンサートに来る映像があった。それから彼女が少しずつ衰退していく映像が続く。最後は亡くなって、母親が娘はアイドルであったと静かに語り終わる。

だいぶ前置きが長くなり、記憶を呼び覚ますことで逆に感慨深くなった。その彼女の現役時代のブログをまだ見ることができる。ネットの中では永遠の22歳である。彼女の死後5年経過したが、サーバーにある情報はまだ保存されてある。なんか死んじゃったら、サーバーの情報も消去した方がいいんじゃないかとも思え、自分が死んだらこの書き込みも自動的に消去される。それはレンタルサーバーであるから更新時期に入金できなければ自動削除となる。そんな意味で好きなことを書いて、文章は自分の権利となり、死んで世の中から削除される、そんなサーバーが僕はいい。

多分、その子誰?って思っているかな。みかんちゃん。アイドル名は違うけど、その店の源氏名は「みかん」であった。まさかこんな風に記憶を辿るとは思っていなかったが、それが人生かなとも思う。「丸山夏鈴」彼女は今でもサーバーの中で生き続けている。