シナー優勝
熱戦のウィンブルドンもイタリアの貴公子シナーがライバル、アルカラスを破り優勝した。ここ最近テニスで感じるとこはBIG3(ジョコビッチ、ナダル、フェデラー)もジョコビッチの一人となり、その世代交代に今回の決勝で戦った、シナー、アルカラスが新世代のBIG2の予感というか現実にそうなっている。ジョコビッチも準決勝まで来るくらい強いが年齢差15歳差のシナーの若き闘志とフィジカルに流石のジョコビッチも苦しくなっている。無敵であったテニスマシーンのジョコビッチもやはり人間であって、それなりの老化は避けられない。そして体力鬼勝負のテニス界であれだけ戦えているのはジョコビッチ本人も語っているように身体のケアが尋常ではないのだと思う、他の選手と比べて。また、人口削減ミッションであったコロナワクチンの接種も拒絶し、いくたびかの妨害というか試合出場停止をさせられているが、どんな批判があろうと自分の意志を貫く姿勢は己の哲学を持っているように思える。
錦織は2014年にUSオープンでジョコビッチに勝って以来、その後負け戦が連発し、僕の記憶では10連敗以上していると思う。絶対勝てない相手、それがテニスマシーンのジョコビッチであった。そのジョコビッチがトータル試合数では勝ち越しているが、直近の4試合は全てシナーが勝っている。あのテニスマシーンに立て続けに4連勝する猛者はシナー以外あり得まい。それだけ圧倒的に強い。そのシナーもアルカラスには直近4連敗だったか勝てていなく、ようやく連敗4でストップした感じだ。去年のウィンブルドン準決勝のシナーVSアルカラスも見応えがあり、辛勝でアルカラスが勝った。前大会の全仏オープンもシナーが勝つと思って寝たが、翌日結果を知るとアルカラスが6時間弱の試合を制止、逆転優勝していた。彼らの戦いはテニスというスポーツの最高峰の戦いだと断言できよう。
シナーに興味を持ったのはシナーがプロ選手として登場したての頃、ピーク9割で対峙した錦織に勝ったことで興味が沸いた。世界ランキング5位であった頃の錦織は下位にはまず負けなかったので、その錦織がどうした?と不思議に思ったが、なんのことはない将来、世界ランク1位に輝く若者であった。ひょろひょろ長身のシナーでそばかすも取れない至って真面目な若者風情が好感に取れた。メドベージェフのアウトロー的な生き方とは真逆である。そのメドベージェフもグランドスラムで3−0の圧勝をジョコビッチに喰らわしたことも記憶にまだある。ジョコビッチが1セットも取れない試合はまず見た事がない。それでも本人の調子もあるので最も絶不調であったジョコビッチに勝ったダニエル・太郎の存在もここで思い出した。彼の試合記録で最も喜ばしい瞬間がジョコビッチを倒したことだと語った。
錦織がほぼ現役引退の時期に来て、テニスを面白くさせるプレイヤーが見つからない。もちろん、面白くさせるというのは日本人プレイヤーである。フェデラー、ナダル、ティーム、シュワルツマン、ガスケ、フォニーニ、ベルダスコ、などなど見ていて面白い選手も軒並み引退している。錦織もまもなく引退しよう。それでも小さな身体でビッグサーブも持たず、己のテニス技量だけでトップ近くまでいった錦織は大谷と同じように同胞、日本人としての誇りである。全日本バレー女子あたりをもう一回見てみようかな?