藤原正彦の代表的な日本人
先週、気分転換で東北の首都、仙台を訪れた。毎年1回は訪れる街ではある。同郷である東北地方であり、文化、食生活が年齢を重ね、自分の原点を思い出される街でもある。東北の若い人間はこの都市を目指す。もちろん、更に南下し東京を目指すこともある。
仙台と言えば牛タンの名地であることは成人後知ったが、焼肉ではタンが好きな自分には、必ず寄る牛タン屋がある。決して高くはない。2年前に東京駅から旅立つ旅行プランで、東京駅で牛タン屋でランチするかと考えたことがある。旅行なので多少の贅沢は許されると思い、その東京駅の牛タン屋の前に並んだが、仙台で食べる牛タンのマジに倍の値段で表示されるメニューに閉口しやめた経験がある。多少の我慢をしても仙台で食べた方が安く美味いのは明らか。
まぁ、そんな仙台の牛タンではあるが、二泊三日で多少の余裕はあるので、ホテルで読書したりとまさに旅による非日常を体験すべく、いつもの商店街をぶらついた。そこで今日の本を探すべく、書店により見つけ出されたのがタイトルの本である。探しながら、インパクトのある良書をと念じたせいもあり、完読した今、この本は素晴らしい。
代表日本人は数学の関孝和、倹約の上杉鷹山、慶應大学の福沢諭吉、そして知らなかった女性教育者の河原操子、そしてこれまた知らない陸軍参謀の柴五郎である。この5人の歴史的人生を著者の藤原正彦が丁寧に調べ上げ、歴史背景を説明しながら語っていく著書である。
関孝和は微分積分を世界の発見である10年以上も前に考えだした天才的数学者であることは知っていた。当時はアラビア数字はなく、漢数字でどうやって微分積分を表したのか、想像しにくい。この関にしても関の考案した数学を本にした弟子も名声を求める訳ではなく、ひたすら数学を突き務める姿が、今だけ、金だけ、自分だけの今の日本人と対照的でその生き様に涙が出る。
倹約の上杉鷹山は名前こそ知ってはいたが、具体的にどういったことをやり遂げた人物であるかは分かっていなかった。15歳で米沢藩主となった鷹山は自分の生活費1500両を209両に減額し、自ら質素倹約を現し、藩の財政を復活すべき、生糸、織物などの工業品を製造すべく、耕地開拓を実践し、途中、部下により謀反も収め、我が母校である興譲館という寺子屋を作り勉学にも貢献した偉大な人物であった。米沢近くに生まれた母親は時折、鷹山の言葉を語った。「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」
全員のエピソードをまとめようと思ったがやめた。各自、自分で読み解いてくだされ。とにかく、今の腐った日本人の多くに、この偉大な日本人の伝記を読んで欲しい。必ず泣く。それくらい尽力したというか、覚悟ある生き様が素晴らしい。こういった偉人が同じ日本人の祖であるとこに、現代に生きる自分に改めて祖国、日本というアイデンティティ、日本人としての誇りを感じる。今、日本人に必要なのは日本人として生きていく誇りなのだ。税金を懐に入れ私腹を肥やし、ワクチンの危険性を分かっていながら打たせようとする政治家、マスゴミ、医師会、厚生労働省、増税の必要もないのに、テメェの出世のために庶民を騙す財務省など東山の金さんなら「城中引き回しの上、打首獄門」と彼らに伝えるであろう。それくらい今の日本人は腐っている。その異臭生活の中で、この本だけが幾らかの希望を与えてくれる。我が祖国、日本。日本人である誇りを。