オリンピック男子バレー 日本対イタリア

diary sports

オリンピック後に総括としてまとめようと思っていたが、記憶の新しいうちに書いておくほうがいいかなと思えて、こうしてタイプしている。

あと1点が取れなくて、敗北した試合であった。選手に対する誹謗中傷がSNSを通じて拡散されている記事を読んで、スポーツ選手もある意味芸能人なんだと感じたが、頭の中が世界で最も自由でかつ文字が書ける日本人であるから、こんな事態になる。また、政府自民党が増税ばかりやってきて、日本人のために仕事をしてこなかったせいで、日本人の心の中が荒廃し、このような悪口を言わなければならない土壌を育てたのもおおいににある。

前国際試合であるネーションズリーグ銀メダルを久しぶりに奪取した日本男子バレーに聴衆のみんなというか多くの日本人は期待し、選手もやれる確信があったと思う。でも、オリンピック、世界バレーと違ってネーションズリーグは毎年あり、世界中のバレー強国が各地で予選を戦い抜き、トーナメントで世界一決定戦をやるという意味では選抜されたオリンピック、世界バレーよりも裾野が広がった大会ではあるが、この大会での主な各国の戦略は新人に国際舞台を踏ませ、経験値を与える意味での大会でもある。実際、このネーションズリーグでは主軸を温存し、言葉は悪いが二軍選抜で戦う大会でもある。もちろん、優勝は名誉なことでそれなりに決勝トーナメントに入れば各国、力は入れよう。

その大会で、日本は一軍で戦い、久しぶりの国際大会銀メダル授与ということで、オリンピック並みのモチベーションで戦った。そのモチベーションでなければメダルは有り得ない。

その勘違いかかは分からないが、予選ドイツ戦では落としてはならない試合を第一セットの入りのつまづきでそのまま負けるというアクシデントに見舞われた。まぁアクシデントというか実力なんだけどね。ドイツが本気で戦ったら日本が負けたという試合であった。

次戦はアルゼンチンでこれは、完全格下相手なので、いろんな審判のジャッジに抗議する場面も見られたが、ようやく勝利をもぎ取った。そして予選最後の試合、格上であるアメリカ戦でその実力がそのまま反映されセットカウント1-3で負けることになった。

かろうじて、ポイントで柔道の敗者復活のように決勝トーナメントに進められた。ドイツ戦での試合開始後のつまづきもなく、逆にイタリアがつまづき、第一セットはものにした。第二セットはイタリア優位で進んだが、渾身の日本男子バレーで逆転、勝利まであと1セットと王手をかけた。第三セットは後が無くなったイタリアと互角に渡り合い、マッチポイントを迎えるまできた。「おぉーイタリアにストレートで勝つかもしれない!」とテレビ、現場で見ている日本を応援する人たちはそう感じだと思う。24-22と2点差があり、イタリアも負けを覚悟した第三セットではあった。後1点で勝利する貴重な瞬間で、日本はその2回の最大のチャンスを握り潰し、まさかのイタリアに逆転されてしまう。その時に、このセットが取れないと背水の陣であるイタリアに逆転負けする予感もあった。

結局、デュースまで行くもつれようで均衡した試合ではあったが、実力の差が1ミリ上であったイタリアが大逆転勝利を納めてしまう。試合後、イタリアのある選手は負けたと思い、どうして勝てたか分からないと試合後コメントしていた。それくらい、互いのチームが全力を出し合い、ゾーンを超えた放心状態でプレーした結果だと思う。

ただ、見て思ったのは、イタリア選手が黒髪の好青年が多く、ヨーロッパ人、南アメリカ人がやる判定にキレるシーンもなく紳士的にプレーしていたのだけは印象的であった。ラインズマンはいなく、テニスのように機械判定でやるのでボールイン・アウトは正確であるが、その他ジャッジするのは人間なので、わずかなタッチはビデオ判定となり、主審が決める昔の大会であれば日本が勝ったことになる。なら、ネットタッチ、ボールタッチも全て機械がやり、異議申し立てを出来ないシステムにした方がいいんじゃねぇとも思えた。絶対必要なポイントが全てイタリアに持って行かれた試合であった。

かなり支離滅裂になったが、やはり歴代最高選手達と歴代最高監督で戦った日本男子バレーであったが、1ミリの実力差で敗れ去ることはしょうがないなと僕は思えた。体格差がある日本人と平均身長2m超えのイタリア人と互角に戦えただけ凄い試合であった。いつも思うのだが、その平均身長差の分、相手のコートが沈むシステムを使えば、お互い平等になると思ったりする。可変式床コートである。よって、互いに平均ネット高さは一定である。そうなれば、日本の勝利は確定ではあるな。可変式床コートであれば、対空時間が若干長くなる高身長チームにハンデを与えてもいい。

本当に悔しいのはあのコートに立てた選手であり、キャプテン石川が一番悔しいと思う。大学時代からイタリアに単身で乗り込み、技術を磨き、世界で戦えるバレーを体現してきた石川。そしてその大学時代に先輩セッターである関田が「頼む決めてくれ石川!」と上げたトスがブロックにかかればしょうがないと思う。ブラン監督が力説したように、アウトサイドプレーヤーは育ってきたので、真ん中ミドルの力量を上げるしか世界に対抗できるバレーにはならないかな。今大会でどれくらい、ミドルブロッカーが決めたり、ブロックした数字を見返せばその課題が見えてくる。

それでも、龍神ニッポンよく戦ったと思う。ともに熱くなった試合であった、見る方もやる方も。結果が出なく、よくやったと慰めるのは日本人だけだと思われるが、それでもよくやったと思う。ほんと、あと1点が取れなくて負けた試合であった。

あとオリンピックの楽しみはスポーツクライミングだけかな。二十歳、どう見ても中学生に見える森選手とヘラクレス女子野中選手を期待したい。もちろん男子も。