徳大寺有恒からの伝言

car diary philosophy

先日、訪れたトヨタ自動車博物館の別館に図書館があり、昔の雑誌、書物などがあった。図書館独自のバーコードシールが貼られてあったので、実際に借りることが出来たのだと思う。そこに、昔、大笑いをした自動車評論家、徳大寺有恒の本が古くはなったが飾られたあった。久しぶりに読むなと、故人になった徳大寺を思い出しながら、流し読みをしてみた。発行日時は2007年とあり、僕がタクシーを始めた年であった。

久しぶりの徳大寺節が所々にあり、懐かしさとある種の感動を覚えた。今はAmazonで簡単に読める時代であったので、その本を検索するとあり、東京へ着く頃に配送してもらえるように、この本を買ってみた。

徳大寺節が炸裂する「間違いだらけの車選び」の文章はよく覚えているが、実生活の徳大寺というものが分かっていなかったので、この本を通じ、徳大寺のある本性というか、人間性を確認できた。徳大寺の文章が面白いのは、作家を目指し、読書していたことにあると初めて知った。徳大寺も読書を勧めている。テレビプログラムの洗脳のおかげで今の日本は大量に自分の頭で考えない、考えることさえできなバカが大量生産されている。そのバカからの脱出には読書しか、基本ない。

何度も書き尽くしているが、「不真面目な車だ!」という論評や、また実際に買ったプレリュードの「普段、一人で乗る奴に、ドア4つもいらねぇ」などのセンテンスが頭に焼き付いている。確かに、普段、一人で乗るのにドア4つも要らないなと、妙に腑に落ち、インスパイアからプレリュードに車変えしたのは彼のセンテンスに他ならない。

徳大寺自身の実家がタクシー会社であり、そこから車の興味と女にモテるための必要条件である車が必要というとこで、どんどん車にハマり、レーシングドライバーになり、辞めて会社を経営し、倒産させ、借金からライターになる道を歩んできたとあった。

面白いとこを抜粋しておく

乗っているだけで「オレって格好いいかも」って思えたり、モテるような気になるクルマがない。

やっぱりカワイイ女の子がいてさ、口説かないのは失礼だと思うんだよ。スケベじゃないとな、やっぱりスケベは信用できる。(笑)

小沢コージの言葉

私自身思うが、特に最近、日本は男らしさ、男としての誇りが足りない。だから日本の男はモテないのである。サムライの持つ男らしさ、大和魂を忘れてしまっている。男らしさとはある種、愚直までのこだわりであり、主張であり、愛であり、ヤセ我慢だと思う。

拝金主義、合理化がますます進む中、そういうバカはモテないし、ウケないし、お得ではない。しかし、そういう男は常にいなくてはいけない。バカで、ヤリすぎで、イキがっていて、カッコつけで、誤解されるぐらいがちょうどいいのだ。日本男児はやはり心のどこかにサムライを持っていなければいけない。私はそれを勝手にこの偉大かつ愛すべき先輩(徳大寺有恒)から学んだと思っている。