プチ断食
時々、このプチ断食に挑戦することがある。日頃の健康チェックは毎日の体重を測ることにある。暴飲暴食後の朝は間違いなく体重計はマックスを指しているので、その幻滅感から断食すると誓う。面白いのは食べないと確実に痩せられ、体重計に乗り、数値が減ってきてくることが嬉しく感じられる点だ。50過ぎのオッサンが女子高生の心境をバーチャル体験出来るのは笑える。
一口も口にしないと決めると、寺の修行僧になってしまうので、やる前から気合で乗り越えられるか?といった自分へのプレッシャーが重くのしかかり、逆に食欲の誘惑に簡単に負けてしまう。しかし逆説的に多少の水分は取って、気長にやっていこうと考えると割と楽に過ごすことができる。断食は自分との約束であって、他人との約束ではないから破ることは簡単だが、乗り越えた時の喜びもある。
ということで、「Stay Home!」を利用し挑戦してみた。今までの自己最高記録は3日72時間であったのでそれを超える挑戦を自分に果たすことを目標とした。いつもの初日の夜がやたら空腹感に悩まされるが、これも経験値なので強引に寝る。翌朝は空腹感が和らぎ、このままどこまでも食べないでいられるんじゃないか?といった錯覚に陥る。なんとか3日目の記録を超えるあたりから、また空腹感が襲ってくる。これも我慢し強引に寝る。翌朝はやはり空腹感はだいぶ落ち着いてくる。断食の成果である宿便が出され、体内にある脂肪を燃やしてくるのがわかり、鏡ごしでもウエスト周りが明らかに鋭角になってくる。すると単純な自分は全身ミラーの前に立ち、プチなかやまきんに君をやってみる。(笑)ウエスト周りの脂肪が落ちるのは明らかに若返りの兆候である。そして1日平均1kgの減量なので、単純に3kgは落ちた。
4日目からは僧の心境というか、食に対する煩悩が薄れてくる。このままいけるんじゃない?といった仮想現実のような気分になってくる。結局、100時間を超えたあたりで断食は終えたのだが、食をするとき、美味しいと涙を流す心境ではなく、100時間の断食で胃が悲鳴をあげるのではといった小さな恐怖があったが、実際はなんともなく普通に消化していた感じではある。空腹時に起こるお腹が鳴くのが終盤あり、久しぶりの音に笑えてくる。
そんなわけで100時間を達成できた。パチパチ(笑)この飽食の時代、たまには断食僧になるのもいいよ。ビスケット2枚でうん10年も生きた修道女の話しや、全く食べないで生きている人も現存する。身体を食糧エネルギー変換から日光空気変換に変えていくのだが、できるといった確信と餓死への恐怖を克服すれば人間はできると漠然と思う。が、食するという快感からの解脱は生きていく幸福の一部を放棄することになるので、その意味で難しいし、豊かな人生には食も含まれている。そんな哲学も考えさせられた4日間ではあった。でも間違いなく断食は身体にいい。