街場の親子論
内田樹の新書を購入してみた。内田るんって誰？娘？って思ったが、親子論のタイトルより娘であった。この親子の手紙のやり取りを本にしてある。公開親子対話なので、難しいと娘のるんさんが語っていたが、やはりそうだと思う。
親子でも、違う感じ方であったり、親子といえでも語れない、語らなかったシーンも数多くあるであろう。そんな忘却の彼方に置いてきた記憶をそれぞれのシーンで思い出し、あんな時、父さんはこう思っていたよとか、こんな時、私はこう感じてたのよとかを内田家での親子の手紙を通し、ほっこりさせられた。作家の二人でなくても、こういった会話は大人になった親子が会話して感じるのもいいと思う。
そのほっこりシーンが二人の手紙を通して僕の頭の中で構築されていく。親の心情であったり、娘の心情がその場面で伝わってきて、なんかこんな親子もいいなと思ったりもする。ある程度と大人になった親子が読むと確実に感じるものがあるであろう。さすが文才の内田樹の娘ではある。そのDNAは確実に受け継がれてある。いずれ親も死に、自分も死ぬ。その短い人生の中でこんな親子の会話があってもいい。なんか本読みたいなという方に薦める。かなりいい。